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薬剤師のケースレポート日誌

国内外の医薬品有害事象に関する報告をデータベース化する試みです。

シタグリプチン:血管浮腫

ACE阻害薬 ARB DPP4阻害薬  血管浮腫

Sitagliptin-associated angioedema.[海外報告]

Diabetes Care. 2012 Aug;35(8):e60. PMID: 22826453

[フルテキストPDF]

被疑薬:シタグリプチン(代表的な商品名▶グラクティブ/ジャヌビア)

症例

 

46歳アフリカ系アメリカ人女性。リーデル甲状腺炎を有しビタミンD補充療法を受けていた。またロサルタン100㎎/日を服用中。BMI35で合併症のない高血圧症あり。(125/78 mmHg)甲状腺機能、グルコースレベルは正常。

甲状腺炎の管理のためにプレドニゾン30mgが開始された。

3週間後、患者は多尿および多飲により緊急治療室に入室。高血糖を発現350 mg/dL。そのため、食事、運動療法に加えて、シタグリプチン50㎎とメトホルミン500㎎の投与が開始された。

症状

 

1週間後に脇腹に掻痒感、その後腹部や胸、太ももへ発疹が拡大。その後さらに感覚異常と上下両方の唇の浮腫に進行。この時点でシタグリプチンとメトホルミンを中止

疑われた

有害事象

シタグリプチンによる血管浮腫

その後の経過

メトホルミン単独とロサルタンによる治療を継続。プレドニゾロンの漸減療法を開始。症状は再発せず経過。

DPP4阻害薬とACE阻害薬併用に関する血管浮腫にいては以下を参照

ビルダグリプチン:血管浮腫

DPP4はブラジキニン、サブスタンスPの不活化に関わっていると考えられている。血管浮腫の誘発因子はブラジキニン、サブスタンスPなどのメディエーターだと考えられており、ACE阻害薬における有害事象として有名である。本例はARBとの併用も血管浮腫誘発に関与しているのではないかという懸念を示唆する。ARBの血管浮腫リスクは頻度こそACE阻害薬に比べ少ないものの症例報告は複数存在する。