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薬剤師のケースレポート日誌

国内外の医薬品有害事象に関する報告をデータベース化する試みです。

フェンタニル:オピオイド誘発性昏睡

Life-threatening coma and full-thickness sunburn in a patient treated with transdermal fentanyl patches: a case report.(海外報告)

J Med Case Rep. 2012 Jul 26;6:220. PMID: 22835002

 

被疑薬フェンタニルパッチ:(代表的な商品名▶フェントステープ ディロテップパッチ)

症例

症例は77歳白人女性(心房細動合併)。フランス南部においてフェンタニルパッチ製剤50μg/時間(1.2mg/日=exフェントステープ®であれば4mg、ディロテップパッチMT®であれば8.4mg)貼付中に太陽の下で眠ってしまった。

症状

体温core body temperature41度。日光浴中の重度のオピオイド中毒(呼吸抑制、縮瞳)を発症。

疑われた

有害事象

オピオイド誘発性昏睡

その後の経過

ナロキソン、パラセタモール静脈内投与、気管内挿管施行、ICU入室にて加療。体の前面の大部分をカバーする広範な紅斑。腹部と下肢に重度のやけど、脱水、急性腎障害、電解質異常への対応に静脈内輸液。徐々に回復をし、神経学的後遺症を残さず入院後7日で退院。その後熱傷のケアを受けるために専門施設に入院。

フェンタニルパッチを使用している患者は、安全に製剤を使用する方法について十分な指導を要する。医療従事者は誤って薬剤が使用されている場合、経皮的に吸収される薬物の過剰投与についての可能性について患者に警告する必要がある。フェンタニルパッチ使用中において上昇した温度は、全身循環への薬物の移動を促進する微小血管透過性を増加させる。体温が3℃上昇すると25%フェンタニルのピーク血漿濃度を上昇させると言われている。そのため薬剤使用中は電気毛布、湯たんぽ、サウナ、温水浴槽や日光浴のような熱源を避ける必要がある。さらにオピオイドの過量吸収により低下した意識レベルがもたらす火傷は、通常の火傷に比べて状態が悪い可能性もあり十分注意すべきである。