ワルファリン、グリベンクラミド:相互作用
ワルファリンとグリベンクラミドの併用により遷延する低血糖を生じた1例薬物相互作用
脳卒中Vol. 25(2003)No. 3P 334-337
被疑薬:ワルファリン;グリベンクラミド(代表的な商品名▶ワーファリン;オイグルコン、ダオニール)
症例
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72歳女性。下肢深部静脈血栓が疑われたため奇異性脳塞栓症と診断し,二次予防のためワルファリンを開始。以前より糖尿病に対してグリベンクラミド,ボグリボースが投与 |
症状
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ワルファリンが治療域に達した日の夕方から低血糖が出現 |
疑われた 有害事象 |
ワルファリンによりグリベンクラミドの効果が増強されるという 報告の少ない薬物相互作用 |
その後の経過 |
グリベンクラミドを中止したところ, その後低血糖は出現しなかった |
※ワルファリンは主にCYP2C9で代謝され,SU剤のほとんどはCYP2グループで代謝されるため肝 代謝が競合し,グリベンクラミドの作用が増強し低血糖が生じたと考えられた