ビタミンC大量投与:腎障害
ビタミンC投与が腎障害に関与した可能性が考えられた広範囲熱傷の2例
日本救急医学会雑誌Vol. 23 (2012) No. 5 p. 199-204
被疑薬:ビタミンC(代表的な商品名▶アスコルビン酸)
症例
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広範囲熱傷の2例 ① 70歳男性(体重77 kg),熱傷面積45%,Burn Index(BI)41 ② 68歳男性(体重89 kg),熱傷面積63%,BI 41 |
症状
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① 急性期にVC補充(2.5-4 g/day)を行い,腎機能の悪化 ② 急性期にVC大量投与(25 g/初期24時間)を行ったが腎機能は維持された。第9病日よりVC補充(0.6-1.2 g/day)を再開し,その後徐々に腎機能が悪化 |
疑われた 有害事象 |
VC投与の関与を否定できない腎障害 |
その後の経過 |
① 第4病日にVC補充を中止して持続血液濾過透析を開始した。第21病日まで血液浄化を施行して腎機能は回復 ② 持続血液濾過透析を施行したが,腎機能は回復しなかった。 |
※広範囲熱傷では創傷治癒促進や初期輸液量軽減を目的としてVC投与が併用されることが多い。一般にVC投与の安全性は高いと考えられているが,代謝産物である蓚酸の蓄積によって腎障害を来す可能性があることや腎不全の回復を妨げることが指摘されている